メデューサの描写あれこれ
神話について
調べ物をして知ったんだけど、
どうやら一般的に知られている
本来のメデューサではないらしい。
元々は母なる神、地母神として
崇拝されていたようだ。
メデューサのことを調べがてら
メモしておこう。
メデューサの描写あれこれ
まずはビジュアル面から
メデューサを探求してみよう。
キャー!
メドゥーサ(ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオ画)
何してんだよお前!
ありえないんだけど(怒)!
無念!
ルーベンスによる「メドゥーサの頭部」
蛇やら蜘蛛やらサソリやら
ドクトカゲ?やら
なんかすごく毒々しい。
キリスト教的に邪悪な存在が
散りばめられている。
太古の母なる女神をここまで
貶めるとは。
これも蛙とかトカゲっぽいのが
見えるんでそれ系かな↓
メデューサの頭、フランダースの画家、ca. 1600、ウフィツィ美術館。
破邪!
これは祭儀用の仮面として
用いられたデザインのようだ*5。
聖なる女性の神秘と力を表しており
守護してくれる魔除けとしての
役割もあったようだ。
見開かれた目は、全てを見通し
限りない知恵を表している*6。
あらゆる生命を食らいつくし
命の根源へと還す口。
牙は猪を表し、
猪は生命の誕生を表す*7。
蛇は生と死の循環、
永遠の魂を表す。
まさに女性の神秘ここに極まれり!
といった感のメデューサ。
ふんぬ!
絡み合ったヘビのベルトをつけた古風なメデューサ(コルフ島の考古学博物館に展示されているもの)
ベルトって言われている部分、
カドゥケウスの様でもあるし
クンダリーニのようでもある。
それはともかく、
蛇は生と死の2面を併せ持ち
循環する生命を象徴する。
脛のところに羽らしきものがある。
きっと天の使者ってことを
表しているんだろうな。
全部まるっとお見通しだ!
ローマ時代のテピダリウムのモザイクの床の中心にあるメデューサの頭。 スーセの博物館、チュニジア
サイキックパワーメキメキメキ~!
ってな感じもするんだけど
それはさておき、
見開かれた目
天の使者である羽
あの世とこの世を行き来する羽
魂を運ぶ羽
生と死、命の循環を象徴する蛇
母なる女神は
女性の神秘を守護中なのであります。
なにこっち見てんのよ
2世紀または3世紀のローマカメオ
魔除けのお守りだったのかなぁ?
目、羽、蛇は顕在。
ガーーーン
なんとも生気のない感じがする。
もはや母なる女神の面影は
どこにも無いな。
え゛---!!
メデューサ 、 Caravaggio (1595)
そりゃないよ!
今日は湿気が強いからいつもよりうねっちゃう
1911年のアールヌーボー様式のエンボス刻印
私くせっ毛なんで
その気持ちよーく分かります。
ところで
眉毛もへびっぽい。
なんでもうねらせちゃう。
曲線大好きアールヌーボー。
なんか不安げ。
捕ったどーー!
メデューサの頭を持つペルセウス 、 ベンベヌート・チェッリーニ (1554年)
おい!踏むな!
宗教が女性をこんな風に扱うのは
それだけ女性の力を
圧殺したかったのかもな。
かつては母なる女神として
崇拝されたいたのに。
モザイク画
コス島の「メデューサ」 モザイクの中心モチーフ、BC2世紀、ギリシャのロードス島 、ギリシャの騎士団の巨匠の宮殿。
メデューサを描いたピレウスのローマのモザイク 、2世紀のAD、 アテネの国立考古学博物館
女神っぽさを感じる。
土台
バシリカ・シスタン (Basilica Cistern)という東ローマ帝国の大貯水槽の柱の土台になるメデューサ
かつて母なる女神であった
ペルセウス神話により
地に貶められた結果がこれ。
建材として地下へと追いやられた。
近代のメデューサ
メデューサ、1895年。紙の水彩画。コレクションハンド/ Nyeste、Glencoe、USA。
ちょっともう訳が分からない。
モンスター的な感じかな。
スリラーに出てきそう。
現代のメデューサ
E3 2006でのEverQuest IIのプロモーションモデル
ゲームのボスキャラ化。
こうして今も尚、
母なる女神は形を歪められ
迫害を受け続けているのやも
しれませんな。
(そういう見方もできる)
その他
メデューサの起源は、
三相一体の女神アテナの
ひとつの相であると言われる。
紋章に書かれたメデューサは
メデューサの面をつけた
女神アテナの加護を意味するらしい*20。
チェコ共和国の ドハルス村の紋章
シチリアの旗
モンスターとして
ゲームのボスキャラ化し
倒されまくる一方で 、
女神アテナの加護を求めて
紋章などに使われているあたり、
母なる女神のエネルギーはまだ
完全に死してはいないのかもしれない。
*1:By Michelangelo Merisi da Caravaggio - The Yorck Project: 10.000 Meisterwerke der Malerei. DVD-ROM, 2002. ISBN 3936122202. Distributed by DIRECTMEDIA Publishing GmbH., パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=148761
*2:By ピーテル・パウル・ルーベンス - 1. Bilddatenbank KHM2. 不明3. GalleriX, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=628753
*3:See page for author [Public domain], via Wikimedia Commons
*4:By user:shakko (Own work) [CC BY-SA 3.0 (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0)], via Wikimedia Commons
*5:参考:http://web.kyoto-inet.or.jp/people/tiakio/antiGM/medusa1.htmlの仮面の章より
*6:参考:http://web.kyoto-inet.or.jp/people/tiakio/antiGM/medusa1.html
*7:参考:http://web.kyoto-inet.or.jp/people/tiakio/antiGM/boar.html#2
*8:By Dr.K. (Own work) [CC BY-SA 3.0 (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0)], via Wikimedia Commons
*9:By Ad Meskens (Own work) [CC BY-SA 3.0 (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0) or GFDL (http://www.gnu.org/copyleft/fdl.html)], via Wikimedia Commons
*10:I, Sailko [GFDL (http://www.gnu.org/copyleft/fdl.html) or CC BY-SA 3.0 (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0)], via Wikimedia Commons
*11:Arnold Böcklin [Public domain], via Wikimedia Commons
*12:Caravaggio [Public domain], via Wikimedia Commons
*13:I, Sailko [GFDL (http://www.gnu.org/copyleft/fdl.html) or CC BY-SA 3.0 (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0)], via Wikimedia Commons
*14:By Morio (Own work) [CC BY-SA 3.0 (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0)], via Wikimedia Commons
*15:By Jebulon (Own work) [CC0], via Wikimedia Commons
*16:By Jebulon (Own work) [CC0], via Wikimedia Commons
*17:By Gryffindor (Own work) [Public domain], via Wikimedia Commons
*18:Carlos Schwabe [Public domain], via Wikimedia Commons
*19:By The Community - Pop Culture Geek [CC BY 2.0 (http://creativecommons.org/licenses/by/2.0)], via Wikimedia Commons
*20:https://en.wikipedia.org/wiki/Medusa
*21:See page for author [Public domain], via Wikimedia Commons
*22:By Myriam Thyes / Klone123 (Own work) [Public domain], via Wikimedia Commons
*23:Europeana 1914-1918 project [CC BY-SA 3.0 (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0) or Public domain], via Wikimedia Commons