空飛ぶ船は癒し舟

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健康に関して気になったことや、その他書きたいことを書くブログ

グリホサート(14)~慢性毒性

私たちがグリホサートを

直接口にすることは無いけども 

 

普段口にするものの中に

微量に含まれているんだよね。

 

それらは安全基準をクリアしていて

健康には害がないはずなんだけど

 

一方で病気との関連が指摘されたり

どーもスッキリしない存在だな。 

 

そんな訳で今回は

グリホサートの慢性毒性を

探求してみるよ!

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一日摂取許容量 ( ADI)

まずは1日あたり

どれくらいまでなら

摂取しても大丈夫なのか?

 

ADIという値をみてみよう。

 

一日摂取許容量(ADI)

ADI : Acceptable Daily Intakeの略。

 

ADIは、一生涯、毎日食べても

健康に悪影響がないとされる量

 

単位はmg/kg/day。

 

体重1kgあたり、○mgまでなら

毎日食べても問題ないよって値

 

※詳しくはこちらをどぞ!↓

一日摂取許容量(ADI)- 食品安全委員会 

https://www.fsc.go.jp/emerg/adi.pdf

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グリホサートのADI 

グリホサートの

1日摂取許容量(ADI)はというと。

 

各国のグリホサートのADI値

(mg/kg/day)

・日本 1(2016年)
・JMPR(合同残留農薬専門家会議)1(2004 年)
・EFSA(欧州食品安全機関) 0.5 (2015 年)
・USEPA(アメリカ合衆国環境保護庁)1.75(2002 年)

農薬評価書 グリホサート 2016年7月 食品安全委員会より 

 

0.5~1.75 mg/kg/day と
国によって値に幅があるね。

 

欧州と米国は約3.5倍も違うけど、

政治や経済面で

いろいろ複雑な背景が

あるのかもしれない。*1

 

輸入食材の安全性を思うと

自国の基準値が低い方が

安心ちゃ、安心。

 

ところで

日本の値は1 mg/kg/day。

 

それってどれくらいなのか

想像つかないけど(・∀・;)

 

ADIを具体的に想像してみる

例えば体重50kgの人だと

1×50=50mg

ってことになるから、

 

体重50kgのヒトでは

1日あたり50mgまでは

毎日摂取しても

害はないってことになる。

 

50mgってどれくらい?

 

1gは1,000mgだから

1,000分の50mgってことで、

1gの5%に相当する量。

 

(-公- ;)ウーム.。oO(想像中)

 

ちなみに一番低い値の欧州だと

体重50kgのヒトでは

0.5×50=25だから

 

1日あたり25mgまでは

問題ないってことになる。

 

日本と欧州では

1日摂取許容量(ADI)が

2倍違うんだね。

 

欧州と米国に至っては

3.5倍違うし。

 

なんかいろいろ複雑だね。

 

国によって基準値が違ってて

大丈夫なの?って思うけど

 

私たちが1日に摂取している

グリホサートの量は、

ADI値よりはるかに少ないんだ。

 

仮に、日本で

欧州と同じADI値を適応しても

余裕でクリアってのが現状。

 

農家さんが適切に農薬を

使用してくれているお陰だと思う。

感謝しよう。

 

慢性毒性試験の結果

さて気になる毒性試験の結果だが、

 

グリホサートは、
アンモニウム塩、
イソプロピルアミン塩又は
カリウム塩として
製剤化され使用される。

 

検査もそれぞれについて

行われていた。

 

だもんだから、もうデータが膨大!

逐一取り上げることは不可能とみた。

意識が消失しそうである(◎д◎;

 

とりあえず総合評価から

ウルトラざっくりまとめておこう。

 

詳細を知りたい人は

こちらをよろしく↓

農薬評価書 グリホサート 2016年7月 食品安全委員会

 

ウルトラざっくりなまとめ 

グリホサートを用いた

各種毒性試験結果から、

グリホサート投与による影響は、


主に体重(増加抑制)、

消化管(下痢、盲腸重量増加、

腸管拡張、腸管粘膜肥厚等)

及び肝臓(ALP 増加、肝細胞肥大等)

に認められた。*2

ということで、

投与される量が増えると

このような症状がでてくる。

 

こういうことが起きないように

1日摂取許容量(ADI)が

定められている。

 

神経毒性、発がん性、

繁殖能に対する影響、

催奇形性及び遺伝毒性は

認められなかった。*3

 

2015 年 7 月に IARC が

「ヒトに対して

おそらく発がん性がある」

(Group2A)としたけど、

 

現時点での日本の姿勢は

発がん性はないという見方。

 

体内に蓄積されるかどうか

体内の入ったグリホサートは

少なくとも20%は消化管から

吸収されるようだ。

 

吸収されなかったやつは

うんことしてさよなら。

 

消化管で吸収された分は、

ほんの少しだけ

小腸や肝臓で代謝されるものの、

大方血中に入り体内を巡る。

 

その後、

おしっことして排泄される。

 

特定の組織に集中して

蓄積されることもなく、

時間とともに排泄される。

 

つまり私たちの

口から入ったグリホサートは

大部分はそのままうんこになり、

 

残りは血中に入ってから

おしっことして

排泄されるということだ。

 

そう言えば、

グリホサートは

 

薬や生体異物を分解して

体外に排泄しやすしてくれる

シトクロムP450という酵素

阻害するんだったよね。

 

あまり分解されずに

グリホサートは

グリホサート然として

排泄されるのには

そういう理由もあるんだろうね。

 

うーん、毒性試験の

結果を見る限り

毒性は高くないみたいだ。

 

なんだか、何が問題なのか

分からなくなってきたな。

 

けど、こういった毒性試験じゃ

腸内細菌とか視てないわけだし

 

見逃されている問題が

ないとは言えない。

 

グリホサートの

使用量が増すほどに

腸疾患が増えている

という相関もあるしね。

 

次は、グリホサートが

普段食べている物の中に

実際どれくらい残留しているか

を確認してみようかな。

 

つづく。

*1:参考:欧州委員会、除草剤グリホサート認可を18カ月延長 - 農トピ

*2:農薬評価書 グリホサート 2016年7月 食品安全委員会

*3:農薬評価書 グリホサート 2016年7月 食品安全委員会