空飛ぶ船は癒し舟

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健康に関して気になったことや、その他書きたいことを書くブログ

メデューサの描写あれこれ

神話について

調べ物をして知ったんだけど、

どうやら一般的に知られている

メデューサ

 

本来のメデューサではないらしい。

 

元々は母なる神、地母神として

崇拝されていたようだ。

 

メデューサのことを調べがてら

メモしておこう。

 

メデューサの描写あれこれ

まずはビジュアル面から

メデューサを探求してみよう。

 

キャー!

メドゥーサ(ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオ画) 

Michelangelo Caravaggio 017 *1

何してんだよお前!

ありえないんだけど(怒)!

 

無念!

ルーベンスによる「メドゥーサの頭部」 

Rubens Medusa*2

蛇やら蜘蛛やらサソリやら

ドクトカゲ?やら

なんかすごく毒々しい。

 

キリスト教的に邪悪な存在が

散りばめられている。

 

太古の母なる女神をここまで

貶めるとは。

 

これも蛙とかトカゲっぽいのが

見えるんでそれ系かな↓

 

メデューサの頭、フランダースの画家、ca. 1600、ウフィツィ美術館。 

Medusa uffizi*3

 

破邪! 

紀元前4世紀の古典ギリシャメデューサ描写 

Gorgona pushkin*4

 

これは祭儀用の仮面として

用いられたデザインのようだ*5

 

聖なる女性の神秘と力を表しており

守護してくれる魔除けとしての

役割もあったようだ。

 

見開かれた目は、全てを見通し

限りない知恵を表している*6

 

あらゆる生命を食らいつくし

命の根源へと還す口。

牙は猪を表し、

猪は生命の誕生を表す*7

 

蛇は生と死の循環、

永遠の魂を表す。

 

まさに女性の神秘ここに極まれり!

といった感のメデューサ

 

ふんぬ!

絡み合ったヘビのベルトをつけた古風なメデューサ(コルフ島の考古学博物館に展示されているもの)

Close up of Gorgon at the pediment of Artemis temple in Corfu*8

ベルトって言われている部分、

カドゥケウスの様でもあるし

クンダリーニのようでもある。

 

それはともかく、

蛇は生と死の2面を併せ持ち

循環する生命を象徴する。

 

脛のところに羽らしきものがある。

きっと天の使者ってことを

表しているんだろうな。

 

全部まるっとお見通しだ!

ローマ時代のテピダリウムのモザイクの床の中心にあるメデューサの頭。 スーセの博物館、チュニジア 

Sousse mosaic Gorgon 03*9

サイキックパワーメキメキメキ~!

ってな感じもするんだけど

それはさておき、

 

見開かれた目

天の使者である羽

あの世とこの世を行き来する羽

魂を運ぶ羽

生と死、命の循環を象徴する蛇

 

母なる女神は

女性の神秘を守護中なのであります。

 

なにこっち見てんのよ

2世紀または3世紀のローマカメオ 

Glittica romana, medusa, sardonice, II-III sec dc.*10

魔除けのお守りだったのかなぁ?

目、羽、蛇は顕在。

 

ガーーーン

ArnoldBöcklinによるメデューサ 1878年頃 

Medusa*11

なんとも生気のない感じがする。

もはや母なる女神の面影は

どこにも無いな。

 

え゛---!!

メデューサ 、 Caravaggio (1595) 

Medusa by Carvaggio*12

そりゃないよ!

 

今日は湿気が強いからいつもよりうねっちゃう 

1911年のアールヌーボー様式のエンボス刻印

Vincenzo gemito, medusa, 1911 02*13

私くせっ毛なんで

その気持ちよーく分かります。

 

ところで

眉毛もへびっぽい。

なんでもうねらせちゃう。

曲線大好きアールヌーボー

 

なんか不安げ。

 

捕ったどーー!

メデューサの頭を持つペルセウス 、 ベンベヌート・チェッリーニ (1554年)

Perseus (Benvenuto Cellini) 2013 February*14

おい!踏むな!

 

宗教が女性をこんな風に扱うのは

それだけ女性の力を

圧殺したかったのかもな。 

 

かつては母なる女神として

崇拝されたいたのに。

 

モザイク画

コス島の「メデューサ」 モザイクの中心モチーフ、BC2世紀、ギリシャロードス島ギリシャの騎士団の巨匠の宮殿。 

Medusa mosaïc Rhodes*15

 

メデューサを描いたピレウスのローマのモザイク 、2世紀のAD、 アテネの国立考古学博物館 

Mosaic floor opus tessellatum detail Gorgone NAMA Athens Greece*16

女神っぽさを感じる。

 

土台

シリカ・シスタン (Basilica Cistern)という東ローマ帝国の大貯水槽の柱の土台になるメデューサ

Basilica Cistern Constantinople 2007 011*17

かつて母なる女神であった

メデューサ

 

ペルセウス神話により

地に貶められた結果がこれ。

建材として地下へと追いやられた。 

 

近代のメデューサ

メデューサ、1895年。紙の水彩画。コレクションハンド/ Nyeste、Glencoe、USA。

Medusa 1895*18

ちょっともう訳が分からない。

モンスター的な感じかな。

スリラーに出てきそう。

 

現代のメデューサ

E3 2006でのEverQuest IIのプロモーションモデル

E3 2006 medusa costume*19

ゲームのボスキャラ化。 

 

こうして今も尚、

母なる女神は形を歪められ

迫害を受け続けているのやも

しれませんな。

(そういう見方もできる)

 

その他 

メデューサの起源は、

三相一体の女神アテナの

ひとつの相であると言われる。

 

紋章に書かれたメデューサ

メデューサの面をつけた

女神アテナの加護を意味するらしい*20

 

チェコ共和国の ドハルス村の紋章

Dohalice CoA CZ*21

 

シチリアの旗 

Sicilian Flag*22

 

第一次世界大戦フランス軍の儀式用制服ベルト 

Ceinturon d'uniforme, 1*23

 

モンスターとして

ゲームのボスキャラ化し

倒されまくる一方で 、

 

女神アテナの加護を求めて

紋章などに使われているあたり、

 

母なる女神のエネルギーはまだ

完全に死してはいないのかもしれない。 

*1:By Michelangelo Merisi da Caravaggio - The Yorck Project: 10.000 Meisterwerke der Malerei. DVD-ROM, 2002. ISBN 3936122202. Distributed by DIRECTMEDIA Publishing GmbH., パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=148761

*2:By ピーテル・パウルルーベンス - 1. Bilddatenbank KHM2. 不明3. GalleriX, パブリック・ドメイン, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=628753

*3:See page for author [Public domain], via Wikimedia Commons

*4:By user:shakko (Own work) [CC BY-SA 3.0 (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0)], via Wikimedia Commons

*5:参考:http://web.kyoto-inet.or.jp/people/tiakio/antiGM/medusa1.htmlの仮面の章より

*6:参考:http://web.kyoto-inet.or.jp/people/tiakio/antiGM/medusa1.html

*7:参考:http://web.kyoto-inet.or.jp/people/tiakio/antiGM/boar.html#2

*8:By Dr.K. (Own work) [CC BY-SA 3.0 (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0)], via Wikimedia Commons

*9:By Ad Meskens (Own work) [CC BY-SA 3.0 (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0) or GFDL (http://www.gnu.org/copyleft/fdl.html)], via Wikimedia Commons

*10:I, Sailko [GFDL (http://www.gnu.org/copyleft/fdl.html) or CC BY-SA 3.0 (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0)], via Wikimedia Commons

*11:Arnold Böcklin [Public domain], via Wikimedia Commons

*12:Caravaggio [Public domain], via Wikimedia Commons

*13:I, Sailko [GFDL (http://www.gnu.org/copyleft/fdl.html) or CC BY-SA 3.0 (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0)], via Wikimedia Commons

*14:By Morio (Own work) [CC BY-SA 3.0 (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0)], via Wikimedia Commons

*15:By Jebulon (Own work) [CC0], via Wikimedia Commons

*16:By Jebulon (Own work) [CC0], via Wikimedia Commons

*17:By Gryffindor (Own work) [Public domain], via Wikimedia Commons

*18:Carlos Schwabe [Public domain], via Wikimedia Commons

*19:By The Community - Pop Culture Geek [CC BY 2.0 (http://creativecommons.org/licenses/by/2.0)], via Wikimedia Commons

*20:https://en.wikipedia.org/wiki/Medusa

*21:See page for author [Public domain], via Wikimedia Commons

*22:By Myriam Thyes / Klone123 (Own work) [Public domain], via Wikimedia Commons

*23:Europeana 1914-1918 project [CC BY-SA 3.0 (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0) or Public domain], via Wikimedia Commons