アミロイドβが誕生するまで
前回の記事で主犯であることが明らかになった安部田。
(真の犯人はYouTubeの自動翻訳なのだが)
ずっと見ているとお菓子に見えてくるのは私だけか?
しかし、私たちは安部田のことをあまりよく知らないのではないだろうか?
今回は安部田の真の姿に迫ってみようと思う。
※安部田が何のことか分からない場合はこちらを見るべし。
安部田(Aβ)について
本来ならば、「アミロイドβ」や「アミロイドβタンパク質」などという正式名称で呼んだほうがいいに決まっているが、ここでは親しみのわく安部田(あべた)という呼称で話を進めさせてもらう。
尚、ここでの「安部田」はアミロイドβの愛称であり、地名や名字等とは一切関係がないことをご留意いただきたい。
では、さっそくいってみよう!
安部田(Aβ)の歴史
安部田にも歴史あり。
1984年に発見される。 *1
安部田(Aβ)は、アルツハイマー病の特徴であるアミロイド斑から発見された。
今2018年だから、34年前に発見されたのだな。
1987年「安部田(Aβ)」が「安部田前駆体(APP)」に由来することが明らかに。*2
発見から3年後、安部田は生まれながらの安部田ではなく、前段階が存在することが分かった。
安部田→Aβ: amyloid-β protein(アミロイドベータプロテイン)
安部田前駆体→APP: amyloid-beta precursor protein(アミロイドβプリカーサープロテイン)
安部田が安部田になるまで
安部田が安部田になる前に、前駆体があることが分かっている。
安部田はどうやって安部田になるのか?確かめよう。
3人の剣客
「安部田前駆体(APP)」は3人の剣客によって斬り分けられる。
剣客の名はα(アルファ)、β(ベータ)、γ(ガンマ)だ!
(α、β、γはたんぱく質分解酵素なので、たんぱく質を分解する働きをする)
2つの道
3人いっぺんに書いたけど、3ヶ所同時に斬られるわけじゃない。
「アルファ斬り」と「ベータ斬り」の2パターンが存在する。
①α(アルファ)斬りパターン
αが下図の黄線のところで斬るパターン。
Aβの途中をスパーン!
②β(ベータ)斬りパターン
βが下図の黄線のところで斬るパターン。
Aβとグレー部分の分れ目をスパーン!
α(アルファ)とβ(ベータ)は、斬る場所が違うのがポイントだ!
それぞれ違う道をたどる。
剣客α(アルファ)は、健康の味方!?
α(アルファ)斬りパターンは、安部田前駆体のAβ領域(オレンジの部分)の中程を斬っている。つまり「安部田の元」は、二つに割れてしまうので、安部田が生まれる可能性はゼロだ。
そんな訳で、剣客α(アルファ)が活躍しているうちは、安部田(Aβ)の誕生が抑えられ、アルツハイマー病も引き起こされにくいと考えられている。
ちなみにα(アルファ)斬りパターンで生まれた物質は、今のところなんらかの疾患と結びつくという報告はない。
安部田はβ斬りによって生まれる
我らが安部田は、アルファ斬りパターンでは生まれないことが分かった。
ベータ斬りパターンで誕生するのだ!その道のりを見てみよう。
①まず剣客β(ベータ)が安部田前駆体(APP)を下図の黄線部分で斬る。
②つぎに、剣客γ(ガンマ)が下図の黄線で斬る。
「安部田」爆誕である。
※安部田→Aβ: amyloid-β protein(アミロイドベータプロテイン)
※安部田前駆体→APP: amyloid-beta precursor protein(アミロイドβプリカーサープロテイン)
では、一連の流れを動画で見てみよう。
0:45あたりからその様子が見れる。一応そこから再生されるように設定してあるが、見れなかったら手動で45秒あたりから見てね。約15秒間くらいだ。
長くなったので、続きはまた。
*1:「老化ゲノム300」より
*2:「老化ゲノム300」より