空飛ぶ船は癒し舟

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【グリホサート19】~残留基準値の改正(3)~ゆくるなったもの

(1)(2)のつづき。

残留基準値はどう変わったのだろう?

 

基準値がゆるくなったもの

 

一部を抜粋して見てみよう。

 

※以下の図は、厚生労働省[平成29年12月25日生食発1225第4号]食品、添加物等の規格基準の一部を改正する件についてより抜粋したものに加筆したもの。

 

○:平成29年12月25日適用(規制緩和の品目)
●:平成30年6月25日適用(規制強化の品目)

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※赤線・・・特別な意味はないが4倍以上増えたものにラインをひいた。

 

※大豆、とうもろこし、なたねと畜産物はグリホサートとN-アセチルグリホサートの和で判定する。それ以外の農産物はグリホサートのみで判定する。

 

基準値が改正された食品は他にもあるし、より正確な情報を得るためには、厚生労働省[平成29年12月25日生食発1225第4号]食品、添加物等の規格基準の一部を改正する件についてをご覧ください。

 

30ppmってどれくらい?

具体的な量に換算してみよう。

例えば小麦。

改正前:5.0ppmなので1kgあたり5gまでOK。

改正後:30ppmなので1kgあたり30gまでOK。

 

ppmとは、量の単位ではなく、濃度や割合を示す単位で、100万分の1を表しています。
1 ppmの農薬が検出されたということは、1 kgの農産物中に 1 mgの農薬が含まれているということを意味しています。
東京都食品安全FAQより


所感

改正後の量を見ると「グリホサートの使用拡大」これに尽きるかと。

 

今回の改正によって耕作前の除草剤としてだけじゃなく、作物を乾燥させるのに使えるようになった。乾燥の手間が省けるので生産コストを下げて、利益を増す目的で使われるだろう。またそういう輸入品が入ってくるだろう。

 

次に、グリホサート耐性の遺伝子組み換え作物が家畜のエサになったり、食品の原料として使われる。そういった海外の食物が輸入されてくるだろう。きっと日本でも作られるようになるだろう。

 

しかし一応食の安全基準は満たしているのだから、危険な毒物として恐怖におびえる必要はないし、過剰に反応するのもどうかと思う。そういうストレスで免疫機能を下げてしまうのはもったいない。

 

だが、今の科学では全てのことが完璧に分かっているわけではない。分かっている範囲で安全が確認されているという冷静さも必要だろう。

 

グリホサートはシキミ酸経路を阻害する農薬だ。グリホサートの安全性はシキミ酸経路が人間にはないという前提の上になりたっているが、腸内細菌たちにはシキミ酸経路がある。

 

腸内細菌は人体ではないという区切りが前提になっている点が非常に重要なポイントだと私は考える。腸内細菌は私たちの健康と切っても切れない関係なのに切り離して考えられているのが問題だ。

 

急性に問題が起きるわけではない。だが悪玉の腸内細菌の増加と病気の関係は、研究者によって報告されているのが現状だ。長期的な視点で腸内環境への影響は注視していくべきだと思う。