【虫除けスプレー】もう一度見直して整理してみた
色々調べているうちにすっかり初心を忘れてウロウロさまよってしまった。
ここらで一つ初心に戻り、しっかり知識のグラウンディングを試みよう。
「蚊を撃退する香り」から学ぶ
まずこちらの『蚊を撃退する香り』という高校生のすばらしい研究結果を
自分なりに整理して理解してみる。
蚊を撃退する香り 静岡県立磐田北高等学校
http://gakusyu.shizuoka-c.ed.jp/science/ronnbunshu/093087.pdf
上記実験では、まずいくつかの植物をすり潰し、実験装置にセットして
蚊が120秒間中、何秒間遠ざかっているかを測定。
その結果から忌避効果がみられた植物5種の香り分析を行って、
忌避効果のある成分を明らかにしようと試みている。
この実験が明らかにしてくれたことによると
5種の内、4種に共通した成分・・・カンファー、カンフェン
5種の内、3種に共通した成分・・・αピネン、カリオフィレン
が挙げられている。
カンファー、カンフェンについては、よく似た構造を持っているのと
分析方法の特性上、明確に区別できるものではないらしく、
同じ物質である可能性が示唆されている。
どちらにしても5種の内、5種とも
カンファーまたはカンフェンが含まれる結果となっている。
レモングラス一考 ~シトラールは蚊に効くのか?~
また上記研究では、非常に興味深い指摘がなされている。
実験で忌避効果の見られた植物の一つ「レモングラス」について。
CC 表示 2.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=189911
レモングラスから抽出される精油の主成分であるシトラールに注目し
香り分析の結果と照らし合わせた結果、精油ではなく植物のレモングラスに
含まれるシトラールはとても少ないことが判明している。
たしかに論文に掲載されているグラフを見ても明らかに少ない。
つまりシトラール以外の成分に蚊が反応した可能性が考えられる訳だ。
上記の香り分析で明らかになった共通成分
(カンファー、カンフェン、αピネン、カリオフィレン)の中で、
レモングラスに含まれているのはカンフェンのみ。
これらのことから、この研究を行った高校生らは、
蚊がカンフェンに反応した可能性と、
シトラール以外の有効成分が存在するかもしれないことを示唆している。
これらの指摘はとてもすばらしいと思った。
「シトラール 蚊」などのキーワードでウェブ検索すると、
シトラールは蚊に効く的な情報も溢れているが、
同時に蚊の忌避効果はないという情報もある。
私は今回の高校生たちの論文を読んでシトラールが蚊に効くかどうか疑いもせず、
情報を鵜呑みにしていた自分に気づかされた。
さらに自分でもウェブで色々調べてみて
私はシトラールには蚊の忌避効果がないに一票とすることにした。
まとめ
・カンファーもしくはカンフェンは蚊に効きそうな注目の成分だ
・シトラールは蚊に効かないに一票
次回は、蚊を撃退する香りⅡ~Mosquito Killer~を復習してみたい。